「命に別状はないと聞いたとき、朋美だけ死ねばよかったのにと思いました。結局、自分を殺せない、自殺もできないくせに、やっぱりここでも身勝手なのかなと」

「その気持ちはいまも変わりませんか?」と問うと、「変わりません」と答える。

 康祐は「口にするべきことじゃないけど」と前置きして、でもこれが「正直な気持ち」だとして、言った。

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「朋美に街でばったり会ったら、会ってしまったら、どうするかわかりません」

娘を殺した妻の懲役は…

 秋田地裁は朋美の心神耗弱を認定し、検察側が求めたものよりいくぶん軽い懲役4年の実刑判決を下した。

 しかし、朋美はこれを不服として控訴。その後、最高裁まで争ったが、上級審はいずれも一審判決を支持し2018年、刑は確定した。

「たったの4年だなんて」

 判決は、康祐からすればまったく腑に落ちないものだった。

 康祐は一審から最高裁判決までほぼすべて、裁判を傍聴して朋美の言葉を書き留めた。

「謝罪の言葉はなく、『覚えてない』『わからない』ばかりでした。反省などしていないはずです」

 朋美に対する怒りを訴えながら、康祐は行政の対応の不備にも言及した。