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それなのに一方で、引き寄せ系の本を買ったり占いサイトに課金したり、スピリチュアルな言葉を探してネットをさまよったりした。
「縁があればまた繋がる」
「去る人があれば、本当にわかってくれる人が現れる」
「絶縁? おめでとう! 涙が出るほどいいことが起こる予兆です」
SNSにはそういう言葉ばかりが流れてくるようになってしまった。こんな誰が言ったかわからないような言葉にすがったり、スピ系のYouTubeを見漁ったりと、ありとあらゆる手で尊厳の回復に努めたが、モヤモヤは晴れない。時間だけが虚しく過ぎた。
あんなに仲が良かった人たちも……
それでも表面的には元気よく振る舞っていた。こんなときは忙しくしているにかぎると考え、来る仕事はすべて拒まず、がむしゃらに働いた。子どもの中学受験本番が迫ってきて更年期症状もエスカレート、汗だくでテキストをコピーする日々。夜中は一時間おきに目が覚めた。
浅い眠りの夢に、去った友達が出てきて「あなたのあの××××が本当に嫌だったんだよね」と言われたところで、飛び起きたこともある。肝心な部分は聞き取れなかった。「待って、待って」と呟きながら、真っ暗な寝床でほのかに光る時計を呆然と見つめた。
そんなカオスな状況が続いていたころ、地方に引っ越した懐かしい人から「久しぶりに東京へ行くので、ランチしませんか」という誘いを受けた。職種は違ったが先輩のような存在で、たまに会っては近況報告をする仲。コロナ禍の期間は会えなかったので、数年ぶりの再会となった。