彼女(仮にA子さん)には「お姐さん」と呼ぶ世話焼きの年上友達がいて、私も何度か宴席で一緒になったことがあった。その日何気なく、「そういえば、お友達のお姐さんはお元気ですか?」と私が尋ねると、A子さんは表情を曇らせて、言った。

「ああ。お姐さんね。実は、もう長いこと会っていないの。いろいろあってね。会わなくなってしまったの。私が、もう無理で」

「ええっ。彼女とは、とても長い付き合いだったのでは?」

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「そうなんだけど、そういうこともあるわよ。それでよかったと思っているし、今では向こうもそう思っていると思う」

 勝手ながら「彼女たちは絶対に一生の友達に違いない」と思い込んでいたので、私は心底びっくりした。その内容は、ざっくりいうとこうである。

お姐さんとの別れ

 A子さんとお姐さんは職場の先輩後輩の間柄で、20年以上の友人だった。A子さんはお姐さんのツテで男性を紹介され、結婚。お姐さん夫妻が仲人を務めた。

 数年前、A子さんの夫の不倫が発覚。不倫関係はすでに終わっていたものの、気持ちがおさまらないA子さんは信頼するお姐さんに相談した。

 お姐さんからは「終わったことだからもう忘れなさい」と諭された。その態度を不審に思ったA子さんが夫を問い詰めると、ずいぶん前からお姐さんは不倫の事実を知っており、「A子には絶対にバレないように早めに女と別れろ」などとアドバイスをしていたという。

 A子さんは離婚しなかったが、お姐さんとは距離を置くようになった。お姐さんからは何度も連絡があったが、そのうちに途絶えた。