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「シャブを持ってきてくれ」
僕は、その感覚を知っていました。覚せい剤を使えば、あれほど苦しかった痛みが、ウソのようにすっと消えていくことを……。
この苦しみから逃れたい。その思いは日に日に強くなり、気がつけば頭の中は覚せい剤のことでいっぱいになっていました。
やりたい。やりたくてたまらない――。
そして、気づいたときには僕は地元の後輩に電話をかけていました。
「夜になったら、シャブを持ってきてくれ」
再出発を誓ったはずの僕の心は、再びあの暗い闇へと引きずり込まれようとしていました。
そのとき、僕を救ってくれたのが、「ほたる」のヘルパー・三浦さなえさんでした。
いつもならば夜になると帰宅する三浦さんが、その日に限って帰ろうとしないのです。
僕は普段、睡眠薬を飲んで眠るのですが、後輩が覚せい剤を持ってくるので、あとで飲むと三浦さんに告げていました。