中受って摩訶不思議な世界らしいわよ
新生活が始まりました。娘は進学先の環境になじみ、部活動にも参加すると、あっという間に友達の輪を広げていきました。一方私は、保護者の会に参加しても、積極的に誰かと関わる気持ちにはなれませんでした。
なぜ私は2人から遠ざけられてしまったのか、あれこれ想像してはため息をつく日々が続いており、新しいママ友を作る余裕がまったくなかったのです。
夏休みが始まる直前、娘が通っていた塾のそばで、偶然芳子さんに再会しました。
「結衣子さん、会えて嬉しいわ。○○ちゃんは、学校、どう? よかったら、お茶して行かない?」
カフェに入って、ひと通りお互いの娘の学校事情を話した後、私は芳子さんに、希さんと紀恵さんから避けられてしまったことを話しました。共通の知り合いがいない芳子さんになら、話してもいいと思ったのです。芳子さんは黙って話を聞いてくれた後、言いました。
「なるほど。それは残念だったわね。いいお友達だと思っていたんでしょう?」
「そうなの。娘の受験のときも、応援してくれていると思っていたんだけど」
「……それは、実際どうかな。中受って、させない人たちからすると、摩訶不思議な世界らしいわよ。親が目の色を変えて、過剰にお金をかけて、本来ならば遊ぶ時間に無理やり勉強させて。公立からでも東大に行く人はたくさんいるとか、親のエゴとか贅沢だとか、SNSには反対派の意見も溢れてるしね。結衣子さんのお友達も、本当はそんなことを思っていたのかも」
「そんな……」