「プロ入りを決めた相手が都成五段でした」
――黒沢五段が三段リーグに入ったのは、2010年の18歳のときです。三段リーグで戦ううちに、将棋は変わりましたか?
黒沢 私は振り飛車のなかで変わっていきました。石田流やゴキゲン中飛車に加えて、プロになる前にやっていたのがダイレクト向かい飛車、そして藤井先生の角交換四間飛車にたどりつきました。
あと、鈴木先生にかなり教わり、将棋が変わりました。三段リーグを戦っていくうちに、1手勝ちに踏み込むのが怖くなった時期があったんですよ。より安全に2手勝ちを目指したことがあったんですけど、鈴木先生に「1手勝てばいい」といわれて、直線的な順を積極的に読むようになりました。
――2014年、先に四段昇段を決めたのは黒沢五段。じつはその最終戦の相手が都成五段でした。
都成 あー、そうだったんすね。
一同 (笑)
都成 いやいや、俺、すげぇぼろ負けしたやつですよね?
黒沢 あ、そうです(笑)。
都成 なんか申し訳ない、失礼しましたみたいな感じの。
黒沢 いやいや……。すごく早く終わりましたよね? 絶対長くなると思ったんですよ。
都成 当時、黒沢さんの状況を知らなかったと思うんですよ。あと序盤で、すげぇ冴えないことになって、攻め潰されたんです。何したんだっけ?
黒沢 戦型は相振り飛車で、初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩とされた記憶があります。
――都成五段が新人王戦で優勝した1年後ぐらいの対戦でしたが、黒沢さんは警戒していたんでしょうか。
黒沢 そうですね。最後、強敵だなと。
都成 黒沢さんと三段リーグで何回か指しているけど、結構、負けている記憶があります。
黒沢 いやいや、公式戦でしっかり叩かれましたけどね(笑)。