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2019年M-1・全員インタビュー なぜ“神回”になったか

「打ち上げで和牛・水田さんのホッとした顔が忘れられない」インディアンスが明かすM-1の裏側

「打ち上げで和牛・水田さんのホッとした顔が忘れられない」インディアンスが明かすM-1の裏側

漫才師・インディアンスインタビュー#3

2020/03/15

田渕 確かにどうなるんやろと思いましたけど、1本目のミルクさんのはまり方と、2本目のミルクさんを「待ってました感」で、ああ、優勝はミルクさんやなというのは、みんな頭に浮かんだと思いますね。完璧やんって。

――M‐1は栄光と挫折の対比が、ものすごいですよね。

田渕 勝ったら一撃でしんどかったときのこと、全部どうでもよくなると思うんですよね。それって、めっちゃ気持ちええんやろなと思って。M‐1しかないですもんね。そんな舞台は。

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「打ち上げで水田さんがめっちゃホッとしてはった」

――きむさんは、後番組なども含め、テレビの収録等が全部終わったあと、からし蓮根の伊織さんと飲みに行かれたんですよね?

きむ あと、すゑひろがりずの南條(庄助)さんもいました。

 

――田渕さんは?

田渕 僕は和牛の水田(信二)さんと、見取り図の盛山(晋太郎)さんと、からし蓮根の青空と飲みにいきました。

――どんな話をされたんですか?

田渕 いちばん印象的やったんは、水田さんが、めっちゃホッとしてはったことですかね。その席で、じつはM‐1は今年でラストにしようと思ってたという話をされていて。戦士の休息じゃないですけど、もう、なんか優しい顔になられてて。水田さんの優しい顔を久しぶりに見ましたね。「おまえら来年からまた頑張れよ」みたいなことを言ってくれたんは、めちゃくちゃうれしかったですね。この人に言ってもらえたら、なんか頑張れるなあというか。

「一度解散して、ミキの昴生さんとコンビを組んでいた」

――結成は2009年なので、あと5回チャンスがあるわけですね。

田渕 僕らはそうですね。

――お2人は2010年に一度、3、4カ月の間、解散していた時期があります。

田渕 きむはめちゃくちゃ変わったやつなんです。ケンカっぱやいところもあるし。なので、ずっと一緒におるのはしんどいなと思い始めたときに、当時、別の人とコンビを組んでいたミキの昴生さんに「俺とやらへん」って誘ってもらって。昴生さんのこと、ずっとおもしろいと思ってたんで、その日のうちにきむに昴生さんと組みたいから解散してくれって言ったんです。もう解散しようと思ってたから、まったく迷いはなかったですね。

ミキの昴生さんと「やぶれかぶれ」というコンビを組んでいた田渕さん

――きむさんは抵抗しなかったんですか?