昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載サウナ人生、波乱万蒸。

2020/05/16

「街の中に木を植えるような感覚」でサウナを作る

 サウナ経営者として常に進化を続ける米田の手により完成した、ビルの1フロアを改装して作った「SaunaLab」は、従来の施設とは一線を画す北欧的センスと革新性を併せ持った存在となった。

「女性から『ウェルビーは何で男性専用なんだ』と怒られた時に気づいたんです。働き方、子育て……女性には女性ならではの大変なことがあるんだなって。

 だからこそ女性も男性も関係なく、世の中の苦しいことに向かう人々に、少しでもサウナが役立つんじゃないかなと僕は思っています。ビジネス先行の発想では、多分『SaunaLab』は作れなかったと思います」

「SaunaLab」はこの米田の頭の中にあるアイデアマップを再現したものだという
ロビーではサウナあがりにフィンランドのビールやソーセージなども楽しめる

 現世での苦しみをいかにサウナで減らして生きていくかという米田の発想は、仏教の教えにも相通ずる哲学を感じる。そして、その経営哲学はウェルビーのHPからもうかがい知れる。

「自然が失われ、デジタル化していく世界というのは便利でいい世界なんですけど、ならではの苦しみが増えています。そんな時代だからこそ、『SaunaLab』は街の中に木を植えるような感覚でビルの中に自然の木材を使って作りました。

 今は世の中の苦しみに対して必要とされているものは何だろうかと、常に自問自答しながらサウナを作っているんです」

 米田の哲学を聞くと、サウナ道の悟りを開いた高僧の説法を聞いている気になってくる。

「私たちは、街にサウナという木を植え、森を育て、人々に元気を届けます」というスローガンが

「今こそ世界中の人々がサウナで自然と繋がるべき」

 サウナ界のゴットファーザーはこのコロナ禍に何を想うのか。

「今はウイルスの収束に向け、世界中が戦っています。真の脅威はウイルスそのものよりも、むしろ恐れから来る分断。人々が閉鎖的になって、見えない壁が次々に立ち上がり、やがてそれは世界中に蔓延していくのではないでしょうか。

 恐れもまた人の心が作る幻影であるならば、それぞれが自分自身の身体的感覚による正しい物の見方を身につけていかないと私たちの未来はとても息苦しいものになってしまいます。今こそ世界中の人々がサウナで自然と繋がる体験をすることは、人類が新たな時代を生きる上で大事な指針になると思います」

 サウナのカリスマは、どんな時代が来ようと一切ブレることなく世界規模でサウナの未来を見据えている。私はこのゴッドファーザーに一生ついていこうと心に決めた。

撮影=五箇公貴

INFORMATION

SaunaLab

住所 愛知県名古屋市中区栄3-9-22 グランドビル8F

5月中の営業再開を目指し、準備を進めています。最新情報は公式HPをご確認ください。

http://saunalab.jp/

WELLBE

住所 愛知県名古屋市中区栄3-13-12

https://www.wellbe.co.jp/  

この記事の写真(15枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー