文春オンライン

2019年M-1・全員インタビュー なぜ“神回”になったか

オズワルドが忘れられないM-1審査員ナイツ塙のひと言とは?「ミルクボーイと君たちの差は……」

オズワルドが忘れられないM-1審査員ナイツ塙のひと言とは?「ミルクボーイと君たちの差は……」

漫才師・オズワルドインタビュー#2

2020/05/17
note

伊藤 かまいたちさん、和牛(3番手)さんと連チャンで出て、全人類、今年のM-1は終わったと思ったんじゃないですか。

――私は予選の印象から、まだミルクボーイ、ぺこぱ、オズワルドの3組が残っているので何が起こるかわからないと思っていました。その3組から優勝者が出るのではと思っていたので。

畠中 ミルクボーイさんとぺこぱさんはともかく、僕らは全然届きませんでしたけど……。

ADVERTISEMENT

 

しばらく経ってから、審査員ナイツ塙さんに言われたこと

――よくM-1は最初の30秒が勝負と言います。そこでどれだけエンジンが暖まるかで、後半の伸びが違ってくると。本番、そのあたりの感触はいかがでしたか。

伊藤 1発目のボケが今一つ、はまらなかったんですよね。

畠中 でも、予選でも尻上がりにウケていったので、まあ、大丈夫かなっていう感じでした。ただ、ずいぶん後になって、ナイツの塙(宣之)さんに、オズワルドの前半は審査員は誰も聞いてなかったよと言われました。ミルクボーイさんの衝撃がすご過ぎて、頭がそっちに行っていた、と。もちろん冗談だと思いますけど。

―― なるほど。いや、私も3回戦から準決勝までの出だしと、正直、ちょっと違うなと思っていました。もっとウケると思ったんですよね。

畠中 お客さんの中にもミルクボーイさんの余韻があったとは思いますけど。でも、僕ら的には、そこまで悪い感触ではなかったんです。

 

――NON STYLEの石田さんは、ミルクボーイのものすごくわかりやすい漫才のあとで、オズワルドの漫才は絵が浮かびにくかったと話していました。

畠中 そこは塙さんにも言われました。漫才はお客さんに想像させなきゃいけない、委ねなきゃいけない部分があるから、と。

――バッティングマシンから握り寿司が飛び出してくる絵とか、今でも想像するだけで笑っちゃいますけどね。