――ぺこぱは最後、和牛を抜くと思いましたか?
伊藤 正直、ネタをやる前から、抜くかも、と思いました。10番目を飾るコンビとしては、いちばん欲しいタイプだったと思うんです。吉本系の基礎のきっちりした漫才が続いて、最後の最後、非吉本系のぶっ飛んだ漫才でしたから……悔しいですよね。また絶対、決勝行きますよ。
M-1決勝に行けたのは「ゆにばーす川瀬さんのお陰」
――お2人は楽屋に戻るなり「悔しい!」と口にしていたとか。
伊藤 悔しいですね。でも、決勝までこないと、本当の意味では優勝できない悔しさは味わえないんだと思いました。
畠中 僕ら、コンビを組んだときにM-1決勝を目標に掲げたんです。それで決勝に出たとき、初めて優勝したいという気持ちが湧いてきて。
伊藤 その時点で今年は負けてましたね。
畠中 ゆにばーすの川瀬(名人)さんも、最初から優勝する気持ちでいないと優勝なんてできないと言っていましたが、それを痛感しましたね。でもそれって、人に言われてわかるもんじゃない。僕らも今回、決勝に初めて出て、それでわかったことですから。
――決勝に進出できたとき、「半分は川瀬さんのアドバイスのお陰」と話していましたが。
伊藤 M-1に関しては間違いないです。2018年のM-1の3回戦で、ものすごくウケて、僕らは通ると思って、周りの芸人さんにも絶対通ったと言われたんです。でも川瀬さんにだけ「(通る可能性は)50パーや」と言われて。そうしたら落ちて、川瀬さんに「粗いからや」と言われたんです。確かに、こちらが粗いとウケ方も粗くなる。そういう笑いは、審査員に評価されにくいんだと思います。川瀬さんに言われたのは、大きい笑いが何カ所かあってもダメなんだと。1つの作品として、Aメロがあって、Bメロがあって、サビで大爆発するというのが理想の漫才なんだと説明してもらいました。
NSCに入ったとき「自分は天才だと思ってた」
――川瀬さんは、そういうことを論理的にアドバイスしてくれるわけですね。