2020年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。インタビュー部門の第4位は、こちら!(初公開日 2020年3月1日)。
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「これぞ漫才っていうのを久しぶりに見せてもらった」
2人が披露したネタ「コーンフレーク」のあと、審査員のダウンタウン松本人志はこう唸った。ナイツ塙宣之も「100点に近い99点」と手放しで褒め、ミルクボーイが叩き出した「681点」はM-1史上最高得点となった。
全国的に無名のコンビが、かまいたち、和牛という優勝候補を鮮やかに抜き去る――“神回”と言われる2019年M-1は彼らのストーリー抜きには語れない。
しかし、それほどの実力を持ちながら、彼らはなぜ無名だったのだろうか。本人たちに聞くM-1とそれまでのこと。(全3回の1回目/#2、#3へ)
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――M-1優勝からだいぶ経ちましたが、もう、落ち着かれましたか。
内海崇 でも、まだ毎日「やったー!」とは言うてますね。
駒場孝 まだ新鮮にうれしいです。
内海 まだ、もっと、みんな喜び合いましょうよ、と。
駒場 もっとM-1のこと、話しましょうよ、って。
「デビュー当時はM-1の1回戦で落ちとった」
――でしたら、さっそくうかがいたいのですが、昨年のM-1は、予選からずっと1位通過で優勝まで駆け上がりました。どの会場でも大爆笑をさらっての完全優勝です。でも、いろんな方にうかがうと、決勝を間近に控えていた時期でも、劇場などではけっこうスベることもあったとか。それが信じられないのですが。
内海 そうですね。けっこう、スベってましたよ。でも、おもろないこと言ってスベってるわけじゃなくて。
駒場 そうそう。おもろいけどスベってたという。わかります? その感じ。
内海 昔から、そうですよ。僕らはずっと同じようなネタをやってきたんです。やってること、変わってないんで。
――学生時代から、漫才の形自体は変わってないとうかがいました。つまり、M-1決勝で披露した「コーンフレーク」のように、駒場さんのヒントを頼りに、内海さんが「コーンフレークやないかい」という肯定と、「コーンフレークちゃうやないか」という否定を繰り返すという。