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3人が学生王将戦に出場

 11月29日に開かれた関東個人戦決勝は、3年生の伊藤さんと、医学部2年生の吉川毅さんの東大対決となり、伊藤さんが優勝した。これにより、伊藤さんと吉川さん、昨年の学生王将で出場権がある天野倉さんの3人が、学生王将戦(十傑戦)に出ることが決まった。

「自分が優勝できたのも嬉しかったですけれど、吉川が決勝まで来たのもチームの主将として頼もしく嬉しかったです」(伊藤さん)

 そして12月6日、団体戦の準決勝の東工大戦のオーダーはほぼ読み通りだった。東工大のエース級の選手が後ろに固まると読んで、天野倉さんや吉川さんの若手エースをそのあたりに配置して勝ちに行く作戦で5-2で勝利、王座戦出場が決まった。会場に入れるのは各大学14人と制限されていたから、他の部員はやきもきしながら朗報を待った。7人の出場メンバー以外でリアルタイムでTwitterで戦況を伝え続けた。

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感染対策が徹底していた「関東A級王座戦選抜トーナメント」 ©️宮田聖子

 昨年の王座戦の夜は、メンバー外の応援の部員も含めてホテルの一室にぎゅうぎゅうに集まって、翌日のオーダーや作戦会議を開いていた。応援部隊が四日市に行くのも、3密の作戦会議も今年はできないのが寂しい。

 負けてしまった決勝・早稲田戦での棋譜は、対戦した7人がそれぞれ、データベースにアップ。王座戦に向けて分析もしている。14人のメンバー全員が集まったのは、この日が最初だった。前主将の藤岡さんからは「王座戦は総力戦なので、メンバーの足並みをそろえたほうがいい」とアドバイスがあり、伊藤さんは結束を高められる方法を考えている。

絶対、風邪をひかないように

 今年の学生王将戦は12月23日から24日、王座戦は12月25日から27日にかけて行われる。しかし、発熱したら四日市には行けなくなる。

「昨年も王将戦と王座戦で5日間戦い抜くため絶対、風邪をひかないよう食事や睡眠に気を配っていました。今年は手洗い、うがいも含めもっと気を付けています」(天野倉さん)

「薄着で寒いのを我慢していたら風邪をひいたことがあるので、温度調節にも気を付けています。もちろん手洗いや消毒も。メンバーみんな気を付けています」(伊藤さん)

 4年生の藤岡さんにとっては最後の王座戦だ。

 

「メンバー全員が優勝するという意識を持ちながら、そのための自分の役割を理解することが大事。残り少ない日数で『優勝』への意識を高められるように、主将の伊藤のサポートをしたい。個人としては全勝でチームに貢献して終わりたいですね」

 何よりも、無事に大会が行われることが、切実な願いだ。

 写真=末永裕樹/文藝春秋

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