dlshogiの評価関数も、教師局面があって、それを学習した結果、強いのが生まれるということなので。ノウハウは、ある程度活きると思っています。だから私も、やねうら王のNNUEのまま開発を進めるわけではない可能性もあります。
──ResNet水匠みたいな感じの?
杉村:
水匠という名前のままかはわかんないですけど(笑)。学習の対象は、変わる……かも、しらんと。
──NNUEでは、サイズを大きくしないように、学習させる棋譜を絞って強くしていきました。しかしその制約が外れるとなると、試したいアイデアなどはたくさんある……という感じなんですか?
杉村:
そうですね。ただ、学習に適した局面だけを学習させていったほうが強くなる、という部分はおそらく変わらないのではないかと。
その学習に適した局面というのを、どうやって作っていけばいいのか。その部分で工夫していきたいですね。
──今後、開発するうえでお金がすごくかかるようになる……みたいなことって、あるんでしょうか?
磯崎:
それがまだわかんなくて……GPUって1年で2倍くらいの性能になることって、よくあるんです。製品のサイクルとして、同じパフォーマンスのものが1年後には半額になっていたりすることが、まだまだあるんですね。
──活気がある業界ですもんねぇ。NVIDIAも株価がガンガン上がってて。
磯崎:
今すぐめちゃ強いのを作ろうとしたら、すごくお金がかかるかもしれません。けど、来年とか再来年とかなら、今の値段の半額とか四分の一とかで開発に参加できるようになっているかもしれませんしね。
──半年後に、世界コンピュータ将棋選手権が行われるとして……その頃には、どんな戦いが行われるようになっているんでしょう?
磯崎:
500とかレーティングで上がるわけですからね。今のレーティングが4500くらいだとしたら、5000を超えることになるんですよ。
──ご、ごせん……。水匠が4500で、藤井二冠3300くらいだったでしょうか……。