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──プロ棋士の実戦から抽出した、互角と思われる24手目の局面をスタートにして戦わせても、差は生まれなかったと。プロの定跡ですから、そこには当然、振り飛車のものも入っていたわけですね。

磯崎:
 それで計測すると、むしろ私の評価関数より弱くて。「たややん(杉村氏のこと)、こいつ何を言うとるんや?」くらいに思ってたわけですよ(笑)。

──ははは!

磯崎:
 ところが、杉村さんに計測方法なども含めておうかがいしてみると……floodgateの対局から独自に互角局面集【※】を作って、それで計測しているということだったんです。

※やねうら王:「たややん互角局面集公開しました」

──磯崎さんは人間の将棋を途中からソフトに指し継がせていて、一方杉村さんはソフトの将棋を指し継がせていたと。

磯崎:
 で、私も「じゃあその局面集くれくれ~」言うて、いただきまして。それで検証してみたら、確かに手数が前のほう……12手目くらいから開始させると、水匠つよいんです!

──ほぉぉ~……。

磯崎:
 コンピューター将棋でよくある棋譜というのは、やっぱり居飛車同士なので。だから水匠も、居飛車同士なら強いんだなと。そういう認識に至ったわけです

 でも、36手目からやると……ちょっとは強いんですけど、そこまで差はない。そして私の互角局面集でやると、むしろレートが30くらい弱いんです。

──ほほう!

磯崎:
 それって終盤の強さも少し捨てて、あと出現しにくい戦型も捨てて、序盤に回してるっていうことなんです。

──では、今のお話からすると……人間のプロ棋士が水匠を使って序盤を評価しようとすると、やねうら王と比べて、ちょっと精度が劣ると?

磯崎:
 居飛車は強いでしょうけど、居飛車対振り飛車の対抗形の場合などは正確とは言いがたい部分もあるでしょうね。

──そのへんの違和感を、プロは感じていた……ということなんでしょうか?

磯崎:
 うーん…………感じれるといえば、感じられるんでしょうけども……。