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大橋:
 コロナが終わったときに、そうやって培ったネットを使うノウハウが花開いてくれるといいんですけどね。

──あっ! そうそう、大橋先生が発売なさった詰碁集『万里一空』のサイン本を買わせていただきました!

大橋:
 おお! ありがとうございます!

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(画像は「万里一空 大橋拓文詰碁集」より)

──恥ずかしながら私、詰碁って石を全部取っちゃう問題しかないと思っていたんですが……。

大橋:
 そういう問題が圧倒的に多いですから。僕は、そうじゃない問題も入れますけど。

 最後の100問目は、一局の碁としても楽しめる問題にしました。実はこれ、囲碁AIがあったから完成した問題なんです。

──収録されたコラムにも書いてありましたね! ディープラーニング系のソフトは、詰碁や詰将棋は苦手なはずなんですが……。

大橋:
 これは普通の囲碁としても成立しているので、誰も発見できなかった妙手をAIが発見してくれたんです!

──本当にすごい作品なので、ぜひ多くの方に手に取っていただきたいですね! 私も、せめて簡単な問題だけでも自分の力で解けるように勉強します!!


 いかがでしたでしょうか?
 将棋ソフトがディープラーニング主流になりそうだから、囲碁界の状況を聞いて参考にしてみよう……と軽い気持ちで始めたインタビューでしたが、想像以上に壮大な話になってしまいました。

 圧倒されたのは、やはり中国IT企業の話。
 囲碁だけではなく、ゲームやアニメといったエンターテインメントの世界でも、中国企業の技術力と資金力は、日本を……いや、世界を圧倒しはじめています。

 その力の源は、もちろん広大な国土と膨大な人口。
 しかしもう一つ、大切なものがありました。

 インタビューの中で語られた、中国のトップ棋士の気質。
 勝てないとわかっていても、AIに少しでも近づこうと挑み続ける強い意志。1%でも勝率を上げようと、ためらいなくAIの打ち手をコピーする姿勢。
 人によっては、それは受け入れがたい生き方かもしれません。「そうまでして勝ちたいのか」と。