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いま囲碁界で起きている“人間とAI”の関係──「中国企業2強時代」「AIに2000連敗して人類最強へと成長」将棋界とは異なるAIとの向き合いかた

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genre : ライフ, 娯楽

note

大橋:
 あと、一力さんや芝野虎丸さん(二冠)といった、10代から20代の棋士は層が厚くて。世界戦でもチャンスがあるんじゃないかなと。一力さんはこの前、世界戦でもベスト4でめっちゃ惜しかったんですけど……。

 ここ20年くらいは世界戦で成績がよくなかったんですが、戦いようによってはやれるんじゃないかなと。まだまだ世界の壁は厚いですが。

──世界戦で日本が勝てば、注目が集まりそうですね!

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大橋:
 それから……最後になりますが、僕らの世代もAI研究によって成績が上がる棋士がいるんです。そこは自分も頑張りたいなと。

 ベテランの先生でもAI研究が大好きな方がいらっしゃって。『AIと1000局くらい打ったんだよー』っておっしゃる(笑)。

 だから、ベテランが復活するというのもあると思っていて。よく見ていると、成績が上がっているベテラン棋士がいるんです。初めてリーグに入ったりとか。みなさんには、そういうところまで追いかけていただけると、嬉しいですよね。こちらも積極的に情報発信していくので……。

──大橋先生はもちろんですが、最近は囲碁の先生方も盛んに情報発信しておられますよね。YouTubeを始められたり、謝依旻先生(六段)みたいにコスプレを披露されたり。

大橋:
 コロナ禍で、どんどん新手を打っていかないといけなくて。

──将棋界もコロナの影響は大きいです。最近だと、オンラインでイベントをすることも増えました。囲碁はどうですか?

大橋:
 世界戦が軒並み延期になってしまいました。それで最近は、世界戦をネット対局でやるようになったんです。けどAIの影響で、空港でやるみたいな金属探知機で調べたり、トイレまで(監視の人が)ついていく……っていうのもあるみたいで。打ってる棋士もしんどいだろうなと……。

──なるほど。各国の代表がそれぞれの国の棋院で、リモートで打って対戦すると。大変そうではありますが……可能性を感じる部分でもありますね。

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