――17連勝もして、タイトル挑戦を決めたので、自分へのご褒美ですね。タイトル戦に向けて、衣装はどのように考えていますか。
山根 和服を着るかどうかはよく聞かれます。初めてのタイトル戦で不慣れなことが多いので、服は慣れたものをと洋服にするつもりでいます。4月末に開幕し、気温が上がっていく中でのタイトル戦なので、何を着るかは衣替えしながら考えます。
――女流王位戦は和服でなくても構わないようで、里見香奈女流王位も和服はお召しになっていないですものね。他に考えていること、準備していることはありますか。
山根 里見女流王位の研究はもちろん、持ち時間4時間で体力が必要なので、体力面も課題ですね。コロナ禍で外出しなくなり少し体重が増えてしまったこともあり、体力もつけつつダイエットを。エスカレーターを使わずに階段を上るとか、小さなことから始めています。女流棋士の皆さんは、キックボクシングとか、ジムとかいろいろ運動していて、何もやっていないのは私だけかもと思っていました。私も4月からヨガ教室に通います。体力だけでなく、自律神経を整えられたらいいなと思っています。タイトル戦の前夜もちゃんと眠ってコンディションよく出られるようにしたいです。
フルーツ盛り合わせを頼んでみたい
――タイトル戦の食事については?
山根 フルーツ盛り合わせを頼んでみたいです。ABEMAのタイトル戦の聞き手のときに美味しそうな盛り合わせの写真を見て、いいなあと思っていました(笑)。楽しみです。
――タイトル戦の相手である里見女流四冠に、西山朋佳女流三冠、そしてよく挑戦者になる加藤桃子女流三段や伊藤沙恵女流三段が女流棋士のレーティングで上位を占めています。皆さん、奨励会経験があるのですが、その強さを感じることはありますか。
山根 皆さん、厚みのある将棋でそれが奨励会経験のある方の特徴だと思います。研究会をしている奨励会員も同じように感じます。こちらが攻めても一筋縄ではいきません。軽い攻めでは受け止められてしまうし、こちらが暴れてもダメということが多いです。私は粗い攻めが多く、暴走してしまうことがあるし、絶対決まらないところで攻めたり仕掛けたりしてしまう。そういうところで、じっと落ち着いた手を指せるようになりたいと思って大山全集の棋譜並べをしていますが、まだまだ身についていないです。