孤高のサウナビルダー“小野ちゃん”
「小野ちゃんは最初、おじいちゃんが始めた『神戸サウナ&スパ』の秘書の募集を見て入社して、すべての店舗を経験して、最後は営業部長まで勤め上げ、もうとっくに退職したベテラン社員なんですけど、まあ言うこと聞かない人なんです(笑)。勝手に色々やるんですよ。観葉植物を自分たちで育てて即売会をやってみたり、前に舞茸工場をうちの会社で持ってたんですけど、そこに出向していた時、舞茸ソフトクリーム売りたいとか言いだしたり。そんなの売れるわけないじゃないですか(笑)。おいしいわけがない。それで大失敗したりとか。そのうち営業所で補修工事とか色んな什器が必要になってきたときに、業者に頼むのは無駄なんじゃないかっていって、寮の1階を占拠して勝手に道具を持ち込み、自分で工場を勝手に作って、物を作りだして。最初はタオルを入れるような家具から、営業所で使う棚を作ったり、壁紙張り替えたりというようなことをどんどんやりだした。
サウナに関しては、最初はフィンランドヴィレッジに輸入したサウナコタ(小屋)を組み立てるんですけど、それでサウナ作りをすごい学習して。その後、僕とフィンランドに何回か行って、現地採寸をやって二人でスモークサウナを作り上げたり。それからあれよあれよという間に、自分でサウナを作り始めて。
去年の緊急事態宣言中、福岡のウェルビーを改装して、サウナラボ2号店を作ったんです。その時に小野ちゃんとサウナラボを作った福岡の大工さん達が意気投合してチーム小野になった。今回もサウナの内装と建築はチーム小野がやりました。ここを作るのは一般の業者さんじゃ無理なんですよ。全部図面に落として、工程も最初にきっちりやってという段取りがここには一切ないんで。私の書いたラフスケッチはありますけど、それを手掛かりに小野ちゃんはサウナを作っていく。それに対応できるのは福岡チームしかいなかったから、彼らにわざわざ福岡から来てもらって作ったんですよ。サウナはもちろん、ロッカーもワーキングスペースも全部。
名古屋のラボの時もそうですけど。人のラフスケッチをよく形にできるなと感心しています。小野ちゃん、すごい」