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最強の棋士像【流れゆく水のように 豊島将之竜王・叡王インタビュー 第2章】

source : 提携メディア

genre : ライフ, 娯楽

「よく、山崎(山崎隆之八段)さんと練習将棋を指した時に連れて来てもらいました」

 テーブル席にちょこんと腰掛けて思い出を語る豊島もまた、マスクを二重にした姿だ。
 ランチ営業終了後の、客のいない店内。
 写真撮影を担当する諏訪景子さんの切るシャッターの乾いた音が響く。
 対局を見ていればわかるが、豊島はあまり表情が変わらない。また、常に姿勢が正しく、動きも少ない。
 しかし今回、諏訪さんには何か秘策があるようだ……。

家で研究する際は扇子を手元に置いてパチパチと

──最近は棋士の食事に注目するのがブームになっているので、豊島先生も食事にまつわる質問をよく受けておられると思うんですが……実際は、食にあまりこだわりがないような。イレブンはサービスランチが多いですよね? お肉でもお魚でも。

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「そうですね」

──少し遡ると、一口ヒレカツが多かったと思うんですけど。

「ヒレカツは対局にいいんですよね? そう、丸山先生のインタビューで読んだので(笑)」

──ふふふ。そうでしたね(笑)。

 私がドワンゴの依頼で行った、第4期叡王戦の本戦に進んだ24人の棋士へのインタビュー。その記事の中でも特に反響の大きかった丸山忠久九段の記事のことを豊島は言っているのだ(なぜ丸山忠久は唐揚げではなくヒレカツを頼むのか?)。
 丸山のインタビューだけではなく、豊島は将棋AI開発者に行った最近のインタビュー記事なども読んでくれているらしい。
 そういえば中日新聞の元旦企画で数学者の森田真生さんと対談した際には、事前に森田さんが主催するゼミを訪問したという。対局以外の仕事でも隙がないのが豊島流なのだろう。

──過去のインタビューで、夏が苦手だとはっきりおっしゃっています。そして最近は体重が落ちないように、麺類よりも意識的にご飯物を食べていると。効果はありますか?

「そうですね。うーん……減らない、ような気がします」

──体重が減って体力が落ちると、連敗が止まらなくなることがあるともおっしゃっていました。昨年、名人防衛戦と叡王挑戦がコロナの影響で同時進行になってしまった時は、あらかじめ連敗防止の対策をなさってて。自分が勝った棋譜を並べているとか。