「大人の経験値」で役に立つのは失敗談
保護者としての悩みや、カッコ悪いところについて、子どもに隠しがちな方は多いのではないでしょうか。
でも、私がぜひやっていただきたいと思うのが、子どもに自分の失敗談を話すことです。
たとえばアルバイトや就職のときの失敗談とか、恥ずかしい過去の出来事など、いろいろあるはずなのに、あまりそういうことは語りたがらないんですね。でも、子どもよりも、圧倒的に大人に多いもの、それが経験値なんです。
成功の経験も失敗の経験もありますが、人生なんて、失敗のほうが圧倒的に多いですよね。それで何か子どもたちに危機感をあおってほしいわけではなく、失敗や葛藤とどのように向き合ったかという話を、何かのタイミングでしてあげてほしいのです。
気をつけてほしいのが、そこで「勉強の失敗談」にしないことです。それだと「勉強しろってことだな」と思わせてしまって、あまり伝わらなくなります。
「ふうん」で終わっても、心のどこかに刺さっている
情報が多い時代ですが、SNSでも子どもたちは同年代のキラキラしたモデルさんや芸能人、成功している子たちばかり見ています。でも実際はもっといろんな人がいるし、かれらもたくさん失敗したから今があるんです。そういうことに着目しないと、変な劣等感におちいったり、失敗を恐れたりするようになってしまいます。
子どもたちにとって一番身近な大人だからこそ、みなさんの人生経験、失敗談はすごく有益です。実際に人は、失敗から学ぶことのほうが大きいのですから。
そういう話をすると、たぶん子どもは「ふうん」で終わります。反応は薄いです。でも、知らなかった親の姿を知ると、どこかで刺さるんです。自分もがんばってみようという気持ちの後押しになると思うので、ぜひ話してあげてください。
【続きを読む】《教育の悩みに》子どもたちの自己肯定感を高めるために絶対に言ってはいけない“NGワード”とは
