1人5000円くらいのお昼のコース
「相手はいくつぐらいの人だった?」
「んー、50代くらいでした」
「イメージでいうと、誰みたいなっていうのはある?もしくは職業のイメージとか」
「えーっと、社長。社長でしたね」
「それはおカネを持ってるふうってこと?」
「いや、見た目はヨレヨレのシャツとかを着てたんで、社長には見えないんですよ。小太りでふつうの、どこにでもいるオジサン。優しそうな感じでしたね」
「それで、どこかで待ち合わせたの?」
「そうですね。クラブからラインで連絡があって、場所と時間を決めて……。最初はそういうふうにクラブが介入して、2回目からは互いに連絡を取り合えるんです。私の場合は最初の待ち合わせは上野のビジネスホテルの前でしたね。それで食事に行きました。豆腐料理だったかな。後で調べると、1人5000円くらいのお昼のコースです」
「それで謝礼はいくらという話だったの?」
「えっと、交通費という名目で、男性から5000円から1万円もらえますとクラブから言われてたんですね。で、まあ、そのときは1万円もらって。それで食事が終わって、『この後どうする?』って言われて、あの、『カラオケ行くでもいいし、カフェでもいいし、ホテルでもいいんだけど』みたいな。そう言われて、なんか1万円だけで帰るの嫌だなって。エヘヘヘ。『私は別にどこでも大丈夫です』って言って……」
「ホテルに行った、と」
「そうですね」
1日潰れたのに1万円
「それはいくらでって話をつけたの?」
「そのときに、初めてだったんで交渉ができなくって、そのままホテルに行って、いたしたんですけど……いたしたと言っても、私が××(SMクラブ)のときの『痛い、痛い!』なんで、入んなくて……あっちも勃ちがあんまりよくなかったんで、ほんと入んなくて。まあ、おカネはもらえたんですけど。3万円もらって。計4万円です」
「このまま帰れないというか、1万円で帰りたくないっていうのは、どういう心理だったんだろう?」
「昼間だったからかな……」
カオルは笑い声を混ぜながら言う。
「昼間に食事して、化粧して……もう、それこそめっちゃメイクして、せっかく出てきて。このまま帰ったら、1日潰れたのに1万円かって気持ちになっちゃって……」
「てことは、そこで(エッチを)すること自体に対しては、そんなに抵抗はなかったってこと?」
「そうですね」
とはいえ、その相手とのプレイ内容について、「一方的でちょっと嫌だな」と感じていたため、その場で連絡先を交換したものの、当日夜にお礼のショートメールを送って以降は、カオルのほうからフェードアウトしたという。