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“マジで!”って思ったけど、結局断れなくて…

「その次の人は?」

「次の人は、登録してから1カ月目くらいにオファーが来ました。でなんか、40代くらいの眼鏡をかけたひょろい人でしたね。全然話が弾まなくて、食事の場所もフードコートのなかに入ってるレストランみたいなところで、前の人とずいぶん違うなあ、まあ別にいいけど、みたいな感じでした。それで食事が終わったあとに、『じゃあ、行こうか』って言われて、1万円くれないなあって思ったんですけど、言えなくて。『じゃあ、部屋で休もうか』ってくるから、“マジで!”って思ったけど、結局断れなくて……」

「ホテルに行ったわけだ」

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「その人が、大阪から出張で来てるって言ってて、出張で来てるのに、これ、できなかったらかわいそうだなって思って。で、部屋でヤッて」

「そのときはちゃんとできた?」

「入るには入ったんですけど、前の人以上にめちゃめちゃ雑で、もうカピカピだったんですよ、私。全然濡れてないの。だけどゴム付けて、無理やり入れてきて、もう、超痛くて。最悪だーとか思って。私が『痛い痛い痛い』って言ってんのに、『痛い?ハハハー』みたいな。もう、超サイコパスーって……」

「そのときはおカネはどうだったの?」

「ハイって3万円渡されて、『あ、はい』みたいな」

「食事代は無しで……」

「食事代無しで。もう、クーッて。これはもう、めちゃ後悔しましたね」

「でもさ、なんで自分から言えないんだろ?」

「いややっぱり、雰囲気、壊したくないしー。ですから、言えなかったんですけど、さすがにこのままじゃダメだーって思って、ハハ」

 辛かったことや自己否定的な内容を口にするとき、カオルはいつも微笑を浮かべ、笑い声で話す。これは、人に嫌なことや困ったことをされたときに、笑いながら「もぉー、やめてくださいよ」と断ってしまう自己防衛の心理と、同一なのかもしれない。

©iStock.com

仕事終わりにパパ活

「でも、3人目のときは、ちゃんと言いました。フフッ」

「3人目はいつ頃?」

「先週の金曜日です」

「金曜ってことは、仕事上がりにってこと?」

「そうですね。仕事が終わった時間に待ち合わせて、で、焼肉に行って……。この人も50代の方で、そんなに丸くなかったな。お腹は出てたけど。身長190くらいの、大男みたいな人でしたね」

「その人とは焼肉食べて……」

「食べて、で、すごい優しい人で、『交際タイプBって書いてあったから、一応お誘いはするけど、全然断ってもらって構わないから』って言ってもらって。私も『今日はすみません。でもとてもいい方だと思ったので、連絡先をいただいて、またお会いしてもらっていいですか?』と言って、1万円をもらって、その日はやらずに帰ったんです」

「で、それから連絡が来たってわけ?」

「いや、私のことを気に入ってくれたみたいで、その場で次回のスケジュールを決めようとなって、アポを入れたのが、昨日だったんです」