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 16時からは、Zoomを使って開発者たちとのミーティングを行う。
 検討に使われるソフトは『Kristallweizen』。白ビールの愛称で知られ、水匠と同じく探索部にやねうら王が使われているソフトだ。

 16時30分。配信開始。
 まずはVTuberの真澤千星が司会をつとめる、水匠とdlshogiを紹介する番組が放送された。
 この時点で既にYouTubeの視聴者は1400人を超えていた。ニコニコ生放送でも同時配信していたため、実際の視聴者数はさらに多かったと思われる。

 解説者である佐々木と阿部が登場する頃には視聴者数が2000人を突破した。
 阿部は「定跡を使わずに戦うとのことなので、見たことのない将棋を見てみたい。終盤でどの程度、競るのか」と、世紀の一戦を前に興奮している様子だった。
 佐々木も「素晴らしいスペックなので、楽しみ」と、少年のようにワクワクしている。

 なお、マシンスペックについてである。
 dlshogi側は最新のGPUであるA100を8台。メモリは2TB。GPUの値段だけで1000万円を超える規模だ。
 一方、水匠のCPUは『Threadripper3990X』である。
 杉村が世界コンピュータ将棋オンライン大会で使用し、優勝したことで、その優秀さが知れ渡った、64コア128スレッドの世界最高峰CPUだ。『高級スリッパ』の異名を持ち、藤井聡太が購入したことで将棋ファンの耳にも馴染みがあるかもしれない。
 ただ、世界最高峰のCPUではあるものの、価格は50万円ほど。dlshogi側とは金額にして20倍もの開きがある。
 この差について、杉村はこう語っている。

「値段には差がありましたが、こっちも1000万かけたらもっと強いマシンが用意できるかというと、そんなことはないんです」

「Googleがクラウドで224コアのものを貸してくれるんですが、それよりもThreadripperを使ったほうが強いはずなので。個人で使えるという意味では、これがおそらく最善でした」