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長時間マッチ出演のきっかけ

──阿部先生と電竜戦プロジェクトのかかわりから教えてください。

阿部:
 前回の電竜戦指定局面戦(TSEC)のときに、解説役を依頼されたことがありまして。どんな局面を採用したらいいかという相談を受けたりもしました。そこから、杉村さんや松本さんとの交流が始まって。

──7月18日に行われた第2回電竜戦TSECですね。そこで水匠がファイナルで優勝し、dlshogiがB級総合優勝したことが、今回の長時間マッチに繋がっています。

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阿部:
 今回はもともと佐々木勇気さんが解説者として呼ばれていたのですが、その佐々木さんが私のことも誘ってくださって……それでダブル解説のような感じになりました。とはいえメインは佐々木さんですから、渡辺名人が登場なさった時は、私は待機するような感じで……。

──放送時のコメントを見ると、共演NGと勘違いした人がいたみたいですね(笑)。

阿部:
 私も後日、コメントを見て驚きました(笑)。そんなことは全くありません。

──バグによって急遽第3局まで行われることが決まると、帰宅した佐々木先生に代わって終局まで解説役を引き受けられました。

阿部:
 出しゃばってしまいましたね(笑)。第3局は開発者の方々の座談会のような形で進める予定だったと思うのですが……。

──視聴者はもちろん、開発者の方々も阿部先生が解説してくださって喜んでいましたよ! 今回の長時間マッチという企画を聞いたとき、どう感じましたか?

阿部:
 すごく興味深いと感じました。過渡期でもありますし。持ち時間を長くすればソフトの指し手がより自然になるというのは、これまで選手権を10年以上見てきてわかっていたことです。人間が見やすい将棋になると思いました。

 選手権くらいの持ち時間ですと、悪手ではないのですが……勝ちきるまでに非常に手数が長い手順を選んだりと、人間から見て不自然な手を指すことがありますから。

 あとはハードウェアに関しても気になっていました。dlshogiのA100が8台というスペックに対して、NNUE側の水匠がどこまで健闘するかという……。