街の小さな銭湯のようなサウナから、大型の施設までを見たんです。韓国も昔は銭湯に行く感じで毎日街のサウナに行ったりしてたんですけど、今は施設の数も減ってきましたね。若い人たちはサウナに行くとしても、イベント的に友達とたまにご飯食べてサウナ行くみたいな感じになっていますし。帰国し、正式に取締役になり、5年前に代表に就任させていただきました」
親子でのサウナ巡りから得たヒント
「父親は僕が小さい時に色んなサウナに一緒に連れて行ってくれたんですけど、その時に施設に対して、『こういうのがあったらいいな』とか『浴槽の深さはこれぐらいがいいな』とか考えていて、それを体現したそうです。例えばその時代、韓国式のアカスリをする施設はうちを含めて数軒くらいしかなかったので、サウナだけではなく、韓国式のアカスリマッサージもいいんだよという口コミも沢山いただきました。それからスチームサウナを始めた時に、普通のスチームだとありきたりなので、通常より高温に設定して、ヨモギとか他の薬草も色々入れて始めたら、これもご好評をいただいて。両親が、自分たちで入る時にスチームサウナにもうちょっとパンチが欲しいなと思ったらしいんです。ちなみに男性の方がちょっと温度が高めなんですけど」
adam・eveの心地よさの秘訣、それは客がサウナに何を求めているかを施設側が一番理解していることなのだろう。
「父は他界したので取締役会長である母と相談しつつ、古いものは古いもので残しながら、お会計システムなどを改善していきました。『adam・eve』という色を残しつつ、男女それぞれの良さをどう育てていくかは常に考えています。基本的には、男女ともに、休憩室は家にいる雰囲気を目指していますね。最近のすごくおしゃれなサウナもいいとは思いつつ、僕自身そういうところに行くと、ちょっと緊張しちゃうんですよね(笑)。おしゃれすぎると『グデーッ』とできないというか。サウナでととのって、休憩室で気を失うぐらいでいいと僕は思っているので、照明の色合いとか暗さとかにはこだわってます。本当に気の休まる場所が西麻布にあるというのも、かっこいいんじゃないかなと思っていますし」