韓国から裸一貫日本に渡り、4年という驚くべきスピードでサウナを開業した両親から事業を受け継ぎ、西麻布「adam・eve」の3代目社長となった文沢圭(ムン・テッキュ)。オロポ(オロナミンCのポカリスエット割り)を産み出したアイデア、刺青OKの理由など、その独自性の裏側に迫る。(全2回の2回目。前編を読む)

刺青OKのサウナ

「うちは問題ないですね。前身の女性専用サウナだった時代から大丈夫でした。この辺りは大使館も多いので、外国人の方もよくいらっしゃるのですが、海外の方は本当にカジュアルにタトゥーを入れるので、それを断るというのはどうかなと。そして、タトゥーはいいけど和彫りはどうするかなど、どこで線引きするかってすごく難しいじゃないですか。入浴前に『見せてください』って尋ねるわけにもいきませんし。タトゥーをお断りする意図は理解できるんですけれども、サウナはみんな平等に気持ちよくなるところなので、うちとしては刺青やタトゥーが入っていようがいまいが、人種や国籍も関係なく、うちのルールだけは守っていただければお断りはしませんよということでやっております。

 幸運にも中国大使館の警備で機動隊が目の前に24時間365日いますし、消防署も歩いて10秒ぐらいのところにあり、警察と消防に囲まれているので、ある意味『日本一安全なサウナ』って言われていますね(笑)」

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左右で男女に分かれている
男性側サウナ室
 
男性側にもヨモギスチームがある
マッサージコーナーも充実

 adam・eveは24時間365日営業。四半世紀を超える営業の中で幾度となく訪れた危機的状況を、家族や従業員一丸となって乗り越えてきた。その苦労は我々素人には想像を絶するものがあった。