真夏のチラー故障事件
「24時間営業していると、お店を閉めて家に帰る安心感って全くないんですよ。家にいても常にお店は大丈夫なのかなと気になって休まらないですね。
入社して一番大変だったのは、お水を冷やす冷却チラーが、真夏のお盆のど真ん中で故障しまして。業者さんも、これは新しいチラーを入れるしかありませんと。でも工事はお盆明けですと言われてしまったんです。サウナーの方々はお分かりかと思いますが、サウナが熱くないことと、水風呂が冷たくないことは、サウナ施設においてはもう致命傷中の致命傷なんですね。その頃はお盆休みって凄い忙しかったので、すぐに氷屋さんを探して、業務用のはさみで持つ巨大な氷の塊を買ってどんどん入れていって。それでもチラーが冷やす水風呂の温度にはならないので、お客様には本当に申し訳ないですけれどもと事情をお伝えして、常連の方は氷の塊を抱きながら『これはこれでいい』とかおっしゃってくれて(笑)、ありがたかったです。
でも巨大なブロックの氷をストックしておく場所なんてないわけですよ。なので入るだけ冷凍庫に入れて、なくなりそうになったらまた買いに行って。『まとまった量を買いますので、できるだけ夜遅くまでお店を開けてもらえますか』とお願いをして。それを1週間くらいやりましたね。あれはもう二度と経験したくない。家族の間でも『よくやったよねぇ』っていう思い出ですね(笑)」