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連載サウナ人生、波乱万蒸。

「うちはビールが売れない。みなさん名物“オロポ”を頼むんです」 刺青、タトゥーを“断らない”西麻布の老舗サウナが乗り越えた“経営危機”

「うちはビールが売れない。みなさん名物“オロポ”を頼むんです」 刺青、タトゥーを“断らない”西麻布の老舗サウナが乗り越えた“経営危機”

adam・eve#2

2021/11/13
note

創業者の両親から店を受け継いで

「今入社して14年目、社長になって5年目です。お店の経営、従業員の管理から代表としての対外的なあり方まで、まだまだ毎日模索しています。目標のゴールが100だとしたら、ほんとに0.03ぐらいのイメージですね。目標は会長です。会長はただの上司ではなく、母親でもあるので、指摘されたことが上司として言われているのか、親に小言を言われているのかわからないことがあるんですけど(笑)。

 お店では家の話、家ではお店の話になってしまうので、ストレスになる時もありますが、間違ったことはひとつも言わないんですね。機械に対する技術的なことひとつとっても詳しい。やっぱり創業者ですし、人間としても会社の代表としても僕とは比べものにならない経験値があります。両親が裸一貫から頑張ってくれたお陰で今の場所がある。最終的な目標ではあるんですが、なんとか半分ぐらいまで辿り着ければいいなと思っています」

3代目社長、文沢圭の思うadam・eveのこれから。

「実は一度、ロシアの超大富豪から『自分だけのサウナにしたいから、このままの店を売ってほしい』って言われたことがあったんです。でもそれはお断りしました。僕はadam・eveを地域のランドマークとして絶対に残したいという想いがあるんです。

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 両親は設計、デザインを含めてゼロからここを作りあげたので、僕の代では施設を一新できればと思っています。今の僕は与えられたものを管理していく立場です。でも施設をゼロから立ち上げれば、お店に対する愛情とか執着ってまた違ってくると思うんです。代表になってからはそれを意識し始めています。会長は『そんな負担に思わなくていい』と言うんですけれども、親としての優しさがあると思うんです。でも次の時代に向けて施設が新しくなれば、それはそれで両親もお客様も喜んでくれると思いますし。

 僕が今ここに居られるのも両親が人生の大半を苦労してくれたおかげなので、それを少しでもいいから返していかないと、さすがに人生、バランスがとれないんじゃないかなと思います。本当に自分で建てたものを経営、管理するとき、ようやく先代と肩を並べることが出来るのかなと思っています」

 

INFORMATION

 

adame・eve https://www.adamandeve.biz/ 
住所 東京都港区西麻布3-5-5
お問合せ 03-5474-4490 イブ
     03-5474-4487 アダム
メールアドレス adam.and.eve@lagoon.ocn.ne.jp
ご予約 03-5474-4455
営業時間 年中無休

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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