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「佐藤の銀が止まらない」観る将ファンが選んだ2021年度のベストシーンとは

「佐藤の銀が止まらない」観る将ファンが選んだ2021年度のベストシーンとは

観る将アワード2021/2022 レポート #2

2022/05/21
note

――このコメントにもありますが、対局の振り返りも負けた場合もすぐにアップされていますよね。あれは大変なことじゃないですか?

深浦 すぐ切り替えられる方しかできないですよね。自分は引きずってしまうので、できないです。布団かぶって寝てます。

――負けを冷静に受け止められるんですかね。

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遠山 私は気持ち的には書けると思うんですが、疲れてしまって寝てからになりますね。ただ、書くことで終わらせられるということはあるんです。

深浦 なるほど。区切りをつける。

遠山 はい。「残念だけど次もがんばります」って書くと気持ちもすっきりするので。渡辺名人は、昨日の負け(棋聖戦挑戦者決定戦)も悔しそうでしたが、さらっとブログも書いていましたよね。それで引きずらないようにしているのかもしれません。

将棋の輪郭を描く人が出ると、将棋自体が面白くなっていきますよね

――記者の方にとっても、ああやって自ら発信されることはありがたいでしょうね。

深浦 それで記事に厚みをつけたりできるでしょうしね。

――こんなコメントもありました。

 竜王戦第4局の局後、評価が分かれて非常にネットでも混沌としている時にTwitterアカウントで佐藤天彦九段と検討をしていただいたのが鮮烈でした。あのやりとりがなければ、ファンにはまったく意味が分からず、豊島竜王の大ポカの印象しかなかったことと思います。名局賞に繋がる意味ある投稿だと思いました。(32歳/女性)

深浦 ありましたね。

遠山 こうやって将棋の輪郭を描く人が出ると、将棋自体が面白くなっていきますよね。

――2位の上田さんは、昨年、この賞を取られまして。文春オンラインの記事が大好評ですよね。コメントご紹介します。

 子育ての記事や家事との両立の記事を拝見して以来、職業は違いますが働く女性としてのロールモデルです!(27歳/女性)

遠山 彼女は毎月書いているんですけど「けっこう大変」だと、こないだ夫の方(及川拓馬七段)が言ってました(笑)。苦労して書いていると。

©石川啓次/文藝春秋

――3位に遠山先生が入っています。コメント紹介しますね。

 私は遠山先生と同年齢なので、2021/11/4の竜王戦2組昇級についての記事は胸が熱くなりました。また順位戦最終局の服部慎一郎四段戦は相手の昇級を阻止するもので、事前に順位戦の展望に関する記事を読んでいたこともあり、棋士としてのプライドを強く感じ、またしても胸が熱くなりました。先日の竜王戦昇級者決定戦は残念でしたが、捲土重来を期待しております。私もまだまだ頑張りたいなと思います。(42歳/男性)

遠山 こういうふうに言っていただけるとありがたいですね。

深浦 服部戦、素晴らしい将棋でしたね。

――遠山先生は、ヤフーの記事なども書かれていますが、棋士のなかでいちばん文章を発表されているのではないですか。

深浦 たしかに。

遠山 そうかもしれませんね。こう褒めていただくとモチベーションにつながります。