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――昨年も話に上がりましたが、YouTubeやっている人って将棋の成績が上がる傾向にあるんですよね。やはりファンの方が見ているとモチベーションにつながるんでしょうね。

遠山 森内九段も昨年度、勝ちまくっていましたよね。

――2位の森内俊之九段についてのコメントもご紹介します。

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 森内チャンネルでのご活躍、言うまでもなくベストYouTuber賞かと思います。最近はあのポーズを見たら、すしざんまいより森内チャンネルが浮かびます。(38歳/女性)

――3位は山口恵梨子女流二段でした。

 藤井猛九段を呼んで初級講座をするなど、普及活動を一生懸命考えている感じが伝わる。(60歳/男性)

――遠山先生、YouTubeは?

遠山 いやあ、書きすぎてYouTubeまで手が回らない。

深浦 遠山くんだったら大丈夫でしょう。

遠山 YouTubeは編集とか、機材とかも大変だから、そこがハードル高いんですよね。だからやっている人はすごいですよ。

――さて大賞はどうしましょうか。

遠山 パイオニアですかね。

――新設の賞ですしね。ではベストYouTuber賞は香川愛生女流四段にさせていただきます。

受賞の言葉(香川愛生女流四段):

 受賞のお知らせをいただいて驚きました。とても光栄です。

 私のチャンネルが、将棋ファンや企業の皆さまの、将棋へのあたたかな思いを受け止められる場となれるように、今回の受賞を励みにますますがんばって参ります。

 また、ここ数年でたくさんの将棋YouTubeチャンネルが開設されました。皆さんとコラボなどで力を合わせて、楽しく将棋界を盛り上げていけたらうれしいです。

 チャンネル登録や高評価など、応援よろしくお願いします!

ベスト棋譜コメ賞 これは棋譜コメがあったから評判になった

――最後に観る将アワード恒例の「ベスト棋譜コメ賞」です。これは面白いコメントをいくつかみなさんと一緒に見ていきたいと思います。まずは名局賞でもアンケートで第3位になっていた、棋王戦挑戦者決定トーナメントの佐藤康光九段対郷田真隆九段の対局からです。

 16手「思わず“え?”と声が出そうになる」

 18手「佐藤の銀が止まらない」

 20手「荒武者のような一気駆け。自由奔放である」

(40手「そこをどけ。飛車が通る」も好き)

 世にいう康光の暴銀。あの対局の驚きと賞賛をライブ感覚で共有できた棋譜コメ。(49歳/男性)

――これは牛蒡記者ですね。名局賞のところでも触れていましたが、飛車がいないほうの銀が出る。

遠山 前代未聞の棒銀です。

ジュンク堂書店池袋本店は、充実した将棋コーナーでも知られている。まさに「読む将ファン」にとっての聖地 ©石川啓次/文藝春秋

――これが「暴銀」と評判になったんですね。

遠山 これは棋譜コメがあったから評判になったというのはありますよね。コメントなくて評価値だけ出ていたら、「佐藤さん失敗しちゃったな」ってなっちゃうじゃないですか。

深浦 この日、ツイッター見てましたけど、みなさんのコメントがすごく盛り上がっていましたよね。

――たしか王将リーグの最終対局日で重要対局がたくさんあったのに、この対局がいちばん盛り上がっていたんですよね。

遠山 今日は目立たないかなと思ってやったんですかね(笑)。でもこの棋譜コメは素晴らしいと思います。この日、こんな対局があるとは事前にわからないわけですからね。

――次も佐藤康光九段です(笑)。谷合廣紀四段との棋王戦挑戦者決定トーナメントのなかの一手。