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4 野毛山団地(1956年/日本住宅公団)
「野毛山団地」(横浜市西区老松町)は、売主に「日本住宅公団」の名が初めて登場した1956年竣工物件である。
「日本住宅公団」は、後に「住宅・都市整備公団」を経て現在は「UR」となっている国の住宅供給を担う組織である。公団や公社が自治体に代わって住宅供給を担っていくその第一歩であり、賃貸住宅から先行して行われた住宅供給事業が、国の「持ち家政策」の一環として分譲事業に軸足を移していく、その第一号物件である。
5棟建てで総戸数は120戸、階数は5階建てであった。既に建て替えになっていて現存しないが、5棟のうち2棟は当時としては珍しい「トライスター型(上から見るとY字のような形)」の外観を持っていた。間取りのとり方だけでなく、外観のデザインにおいても、公団がかなりの“実験集団”であったことがわかる好例であった。
2004年に最後の売り事例が出ているが500万円(45.92㎡)となっていた。この物件には今回紹介する物件で唯一、分譲当時の価格情報があり、110万円(45.92㎡)となっている。