文春オンライン
築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

伝説マンションBEST45 第3回・1970年代「団地の時代」編

2022/06/25
note

17 左近山団地(1968~1986年/日本住宅公団)

「左近山団地」(横浜市旭区左近山)はいわゆる「マンモス団地」と呼ばれる大規模団地。分譲戸数で全国歴代3位となる全126棟2710戸の大プロジェクトである。足かけ19年に及び進められた長期分譲物件である。

 一つのマンション・プロジェクトの総棟数が100棟を超える例は全国で見ても2例しかなく、「左近山団地」が第一号で、他は神奈川県住宅供給公社が1970年から1973年に竣工した「竹山団地」の106棟。それ以外は存在しない(テラスハウスではいくつか存在する)。

左近山団地(2018年6月撮影)

 相模鉄道「二俣川」からバス8分。決して交通利便性に恵まれた物件ではないが、多くの大型団地と同様に、基本的な生活インフラはすべて揃うという前提で建築計画がなされており、小学校や中学校などの教育機関や病院が団地に近接している。

ADVERTISEMENT

 緑地や公園が多いのもこの団地の特徴で、動物や植物にちなんだ名前が付いているほか、プール施設が複数ある。基本的には5階建て「二戸一(にこいち)」(外階段の各階層に左右二戸配置する団地のスタイル)で建築されているが、残念ながら資料がほとんどなく、間取りなどの詳しい情報はない。2022年6月単月でも多くの売り事例が出ており1300万~1500万円(坪単価100万円)程度の価格となっている。