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築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

伝説マンションBEST45 第3回・1970年代「団地の時代」編

2022/06/25
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23 野庭団地(1974~1987年/横浜市住宅供給公社)

「野庭団地」(横浜市港南区野庭町)は、全国のマンモス団地の中でも分譲戸数2位の巨大団地である。全43棟総分譲戸数は2831戸、全棟4階建て~10階建てで構成されているがほとんどの棟が10階建てでエレベーターを備えている。公団の団地は「5階建てで階段を中心にした『二戸一(にこいち)』住宅でエレベーターなし」という常識を超えて、高層化が進んだ物件である。

野庭団地(2016年2月撮影)

 また、ほぼ同等の戸数規模である「左近山団地」と同じように、足かけ14年という長期にわたって分譲が継続した。分譲期が複数に分かれ数次にわたっているが、分譲期ごとに単一の間取りで構成されている場合が多い。このうち2、4、5号棟における83.64㎡の4DKタイプでは、それまでに採用されていた3LDKタイプの基本設計を変えずに、リビングのスペースに間仕切りと収納を設けて居室にしているプランが取り入れられている。

野庭団地の全体図。団地内に幼稚園、小学校、中学校、スーパー、病院が揃っていた
広縁とサンルームが特徴的な野庭団地

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 また、ほぼすべてのプランに「サンルーム」が設置されている点もこの団地の特徴である。和室の南面に流しとコンロ台が付いた「広縁」を設けているユニットも多く、3世代での生活を前提としていたと考えられる。現在では見かけることがないプランで、それがかえって新鮮に映る間取りとなっている。