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築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

伝説マンションBEST45 第3回・1970年代「団地の時代」編

2022/06/25
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22 豊ケ丘団地(1976年/日本住宅公団)

「豊ケ丘団地」(東京都多摩市豊ケ丘)は、「貝取団地」と敷地が隣り合いほぼ同時期に分譲された「双子の団地」である。全27棟すべて5階建てで、総戸数620戸(賃貸棟も存在する)の大規模団地である。敷地が京王相模原線「京王多摩センター」・小田急多摩線「小田急多摩センター」から徒歩12分。

豊ケ丘団地(2019年12月撮影)

 多摩センター駅は、「京王永山」と同時に1974年10月に「京王多摩センター」が、1975年4月に「小田急多摩センター」が開業している。つまり2物件が分譲された1976年は両線が開通した後であった。

 間取りプランは「貝取団地」に採用された狭めの3DK-Aタイプに代わって66.63㎡の3LDK-Qタイプが導入されている。他の3LDK-Pと4LDK-Sタイプは同じユニットが使用されている。

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豊ケ丘団地の3LDK-Qタイプの間取り。82.75㎡の広さがある

 貝取団地と豊ケ丘団地では、ともにリビングルームは洋室となっているが、居室はすべて和室となっており、現在分譲されている一般的なマンションとは大きく異なる和室重視の設計である。広さが確保されていて、各居室とも6畳をベースにしている。90㎡台が分譲されたという意味でも、「団地=狭い」というイメージを覆すインパクトを持った物件であった。