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築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

伝説マンションBEST45 第3回・1970年代「団地の時代」編

2022/06/25
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19 諏訪団地(1971年/日本住宅公団、現存せず)

「諏訪団地」(東京都多摩市諏訪)は日本住宅公団が1971年に分譲し同年4月に竣工した団地である。京王相模原線「京王永山」から徒歩7分。「二戸一(にこいち)」タイプの5階建てで全23棟、640戸が分譲された。間取りタイプは1つ(左右対称型があるのみ)ですべて48.85㎡である。

諏訪団地(2013年7月撮影)

 日本住宅公団分譲の「永山3丁目第2住宅」と同じ間取りとなっていることからも、同じユニットが採用されたと考えられる。建て替え直前の2011年7月まで中古売り事例が出ており1500万円(坪単価100万円)程度となっていた。

 この物件は、多摩ニュータウンの中でも最寄駅から近い、恵まれた条件ということもあり、いち早く建て替え合意がなされ、「Brillia多摩ニュータウン」(2013年竣工/東京建物JV)に建て替わっている。

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諏訪団地の間取り

 建て替え後は戸数を大幅に増やし、7棟建て総戸数1249戸に生まれ変わった。各棟は14階建てと11階建て。元の建物の容積率に余裕があったため、建て替え後も敷地をゆったりと使用していながら戸数規模をほぼ倍増できた。売却益から建て替え費用をまかなうことができた成功例である。