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築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

築55年エレベーターなし、足かけ19年かかった分譲、だが…時代を変えたナゾの“レジェンド団地”

伝説マンションBEST45 第3回・1970年代「団地の時代」編

2022/06/25
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20 愛宕2丁目住宅(1972年/東京都住宅供給公社)

「愛宕2丁目住宅」(東京都多摩市愛宕)は、多摩ニュータウンの前述2物件とは若干立地が異なっている。最寄駅は「京王永山」であるものの、京王線「聖蹟桜ヶ丘」の南側に面する桜ヶ丘の丘陵地南端の高台に建っている。そのため「京王永山」に行くには坂を下る必要があり、公道には階段も多く設置されている。

愛宕2丁目住宅(2022年6月撮影)©文藝春秋
愛宕2丁目住宅の間取り。自己負担の浴槽部分は点線だ

 全14棟建てですべて5階建て、総戸数402戸のプロジェクトだ。間取りタイプは3DKがNN型とNS型の2タイプのほかに3LDKのL型と合計3プランがあった。NNとNSはほぼ同じであるがNN型ではダイニングキッチンが北面に、NS型では南面に設置されており、南側に居室を置くかキッチンを置くか、選択できるようになっている。62.10㎡のL型は3LDKという表示からわかるとおり、リビングダイニングキッチンとなっている。これは芝白金団地に初めて導入された3LDKタイプの間取りとほぼ同様である。

愛宕2丁目住宅の仕上表。浴室の欄に【浴槽、釜各自負担】と明記されている

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 なお、この物件に浴室はあるが「浴槽」と「バランス釜」(当時一般的だった浴室内に設置する風呂釜)は設置されておらず、建築概要欄によると、購入者が自己資金で購入する“オプション設置”となっていた。バランス釜用の吸排気孔のみが設置されている。