「1000ドルぶんをユーロで送り直してほしい」とイタリアに送金依頼が…
大阪から帰宅すると、マークから「送金したお金を受け取れなかった」とチャットが送られてきていました。初めての海外送金で私が何かミスをしたのか、と申し訳なく思いました。翌日、再び大阪の代理店を訪れると、昨日のお金を引き上げることができたので、マークが受け取れなかったのは事実でした。
マークは「愛している。そして、ありがとう。僕の女王様」という愛のメッセージとともに、1000ドルぶんをユーロで送り直してほしいと伝えてきました。
新たな送り先は、なぜかイタリア・ナポリ市の「アデンジ(ADENJI)」宛てを指定されました。そして、マネーグラムではなく、別の海外送金サービス会社である「ウエスタンユニオン」を使うよう、指示されました。
Name:ADENJI*****
Zip code:80130
City:NAPOLI
Country:ITALY
この時は「マークは大スターだから、世界各地に助けてくれる知人がいるのね」としか、思いませんでした。今考えると、アメリカに住むはずのマークがイタリアの知人宛てに送金を頼むなど、おかしな話だと思えるですが……。
せきを切ったようにスタートした借金の申し込み
この初めての送金以降、堰を切ったようにマークは次々と借金を申し込んできました。
「請求書の支払いに2000ドルかかるんだ」
「ショーに出たけど、ギャラがしばらく現金化できない。4000ドルを貸してくれないか」
毎日、次から次へとお金を求めるメッセージが届きます。
ある時には「ブリーフケースでケガをした」というメッセージとともに、ギプスで固めた左足の写真が一緒に送られてきました。
「とても心配よ。できることなら、すぐにも飛んで行って看病してあげたい。愛しているわ」
私はそう書いてメッセージを送りました。
「今はとても痛いけど、医者はすぐによくなると言っている。2、3日で歩けるようになるみたいだ」