制服姿で友人たちと談笑していた女子高生が、将棋盤を挟むと一転して鬼気迫る表情に――。
そんな“乙女”たちのギャップがたまらない作品が『永世乙女の戦い方』(小学館ビッグコミックスペリオール連載)。作者は、これまで『兄の嫁と暮らしています。』『笑顔のたえない職場です。』などでも女性たちのドラマを描いてきたくずしろさん。YouTuberとしても人気の女流棋士・香川愛生女流四段が棋譜監修を務めている。
人気漫画家が将棋、とりわけ女流棋界をテーマにした理由とは? このほど『永世乙女の戦い方』の最新刊(第7巻)を刊行したくずしろさんに、作品への想いを聞いた。
自分の将棋になると皆すごい攻め将棋で…
――題材に「女流棋士」を選んだ理由を教えてください。
くずしろ ニコニコで将棋中継見ていて、そこから将棋に興味を持ちました。
その放送の中でタイトル戦の聞き手をされていた女流棋士の方に注目して、彼女たちの将棋にも興味が出てきたのがきっかけですね。ただ、なかなか女流の棋戦は中継がなくて……。でもそれで余計興味が湧きました。
――「女流将棋」の魅力はどこにあると思いますか?
くずしろ ギャップにとても魅力を感じます。女流棋士の方たちは、男性棋戦の聞き手をやったり、補佐的なイメージがあります。普及にも尽力していて、とても将棋界を盛り上げる活躍をされています。
それなのに、一転、自分の将棋になると皆すごい攻め将棋で、そのギャップが好きですね。
作品を面白くするためには大胆に嘘をつく
――監修の香川愛生女流四段との関係を教えてください。
くずしろ 将棋漫画をやりたいと担当編集に伝えたら、担当編集がたまたま香川先生と繋がりを持っていて、それならダメ元で頼んでみようということになりました。
まさかお受けいただけるとは思っていなかったので、とてもありがたく思っています。
――作品を作る上で気を付けていることを教えてください。
くずしろ リアルと嘘をつくところのバランスには気をつけています。作品を面白くするためには大胆に嘘をつくことも重要だと思うので。
例えば、タイトル戦の時期なんかはリアルとは違うのですが、そこは物語の面白さを重視して変えさせてもらっています。
――作中のキャラクターで一番好きなのは誰でしょうか?