JR東海が手がけた「まるで桃鉄 by JR東海 ~乗って回して億万長者!~」は、ゲームソフト「桃太郎電鉄」のフィールドを東海エリアに移植した意欲作。誘客キャンペーンにとどまらず「ちゃんとしたゲーム」に仕上がっていて面白かった。
「桃太郎電鉄」のプレイヤーは列車のコマを進めるけれど、「まるで桃鉄」は本物の列車で旅をする。ゲームのルールは異なるけれど、「桃太郎電鉄」の特徴を捉えている。
どんな経緯でこの企画が誕生し、どんな工夫があったのか。JR東海の担当者に話を聞いた。対応してくださったのは営業本部地域創生グループの宮澤理香さんと、グループリーダーの沖健太さんだ。
鉄道会社がゲーム会社とコラボした理由
――まずお聞きしたいこととして、なぜゲーム? しかもなぜコナミさんとつながったのか、という素朴な疑問です。
宮澤 コロナ禍のさまざまな集客施策のなかで、「推し旅UPDATE」という企画があります。
――「推し」はアイドルファン用語からきていて「自分が特に好きな相手(モノ)」という意味ですね。流行語を採用しちゃうところも、良い意味でJR東海らしくないような(笑)。
宮澤 根強いファンがいらっしゃるエンタメ業界ともコラボしていきたいと思っており、その中のひとつに「ゲーム推し」があります。「桃太郎電鉄」は鉄道がモチーフですし、子どもから大人まで幅広いファン層がいらして、お子さまからママ鉄さんにもアプローチできます。
――「桃太郎電鉄」はもともとロールプレイングゲーム「桃太郎伝説」のタイトルをいただいたゲームなんですよね。「桃太郎伝説」の誕生はドラゴンクエストのロト3部作の頃で、まさに私のような50代にはストライクどまんなか。その世代と子ども世代が一緒に遊べるゲームが「桃太郎電鉄」です。うまいところに着目しましたね。でも、御社とのつながりがわからない(笑)。
沖 弊社のグループ会社にジェイアール東海エージェンシーという広告代理店があり、交通広告以外にも取り扱いがあり、マーケティング、JR東海の車両意匠のライセンスなどを扱っています。その関係からコナミさんとお付き合いがありまして、どちらからともなく「一緒に面白いことをやりたいね」という感じで。