椿 アニメだったら、ぱっと見ればある程度知識がつくんですけど、ゲームはリアルな時代を経験していて、ガチでプレーしていないといけない。付け焼き刃でどうにかできるもんじゃないんです。そうした点がゲーム業界の方々に響いたのかなという感じはあります。
それまでゲームメーカーが新作タイトルについて何か発信をしたいとなった時、テレビの地上波だと何千万円、何億円を払って1枠を買わなきゃいけなかった。でもネット配信の番組だと100万~200万円で発信できる。しかもアーカイブに残るというのは斬新でしたよね。
そうした配信番組が始まるまでは、ゲームクリエイターとオタクの間には結構壁があったんですが、オタクである私が配信番組のMCをやることで、うまくオタクとメーカーさんの架け橋になれた。そこでまた需要が生まれた感じがします。
ーーただネット配信の黎明期だけに難しさもあったんじゃないですか。
椿 芸能畑の人はニコニコ動画などでのネット番組のコメントで叩かれてすぐやめちゃう人が多かったんです。私は全然平気なんですけど、ネット民からやっぱり芸能人は嫌われてた。「こっち来んな、媚びてくんな」みたいな文化があったんですよ。
私はゲーム業界とオタクの掛け橋という側面もありつつ、 ネットオタクと芸能界との掛け橋みたいな存在にもなっていました。その相乗効果で需要が生まれた気がします。
ただ当時所属していたホリプロは音事協(日本音楽事業者協会)に入っていたので、私がすごくいいネット番組に出ても、アーカイブは3ヶ月になっていました。
まだネットが普及していなかったので、ホリプロ自体にもネット番組への理解がなくて、大手なので地上波のゴールデンに出てなんぼみたいなところはあって、ネット番組やゲームの仕事をしても、あまり評価されないことが多かったですね。
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