まずは4編成、次は新リバティかも?
先代「スペーシア」は2年間で9編成まで増備された。これらをすべて「スペーシアX」に置き換えられるだろうか。そして「スペーシア」は栗橋駅からJR線に直通して新宿駅を発着している。「スペーシアX」も新宿駅を発着するだろうか。
「今のところ4編成まで。これ以上の増備は未定です。その次は検討中です。しばらくは100系も同時に運用するとして、さすがに廃車時期になれば次をどうするか。旅行客は回復基調ですけれども、最盛期に比べると減っていることも確かです。『スペーシアX』のニーズも見極めた上で決めようと思います。スペーシアXを増備するか。あるいはリバティ的な汎用型を新しく作るかもしれません」(池田氏)
リバティは確かに汎用型という形容がピッタリだ。観光需要以外の列車も引き受けているし、通勤ライナー的な用途でも使われている。いままでは通勤、一般輸送がプラスに転じると、観光輸送は3倍くらい良くなった。逆に悪くなるときも3倍落ち込む。東武鉄道の観光輸送はこんなパターンだったという。ところがいま、インバウンドが急激に復活している。
「スペーシアX」の新宿乗り入れの可能性は…
「すごく跳ね返りがありますよね。その辺をちょっと冷静に見極めて、全国旅行支援などといった制度が全部なくなった後もどうなるか、よく見極めなくてはいけない。観光輸送をちゃんと続けられるように、これからいろんな仕掛けをして頑張らなきゃ、と」 (池田氏)
東武鉄道はデラックスロマンスカーの投入で国鉄に圧倒的な勝利を収めた。国鉄は東京~日光間の優等列車から撤退してしまう。しかし、東武鉄道が一人勝ちになると、こんどは日光への観光輸送の責任が東武鉄道に重くのしかかってきた。乗客減少の打開策のひとつとして、JR東日本との直通運転がある。さて「スペーシアX」の新宿乗り入れの可能性はあるだろうか。
「すぐには予定していません。これまでJR東日本さんも日光行きの需要を見て、平日と土日で運行本数を調整した経緯があります。『スペーシアX』によって、新宿~日光間の需要がどれだけ増えるか。そこはJR東日本さんの判断になると思います。当社としては始めからJRルートを外したわけではないです。将来はあるかもしれません」(池田氏)