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1940年8月に結成された新日本漫画家協会は、結成直後から大政翼賛会とのコラボを模索し、現代で言うところのディベロッパーとして「愛国的な日本人一家」キャラクターを作る企画を立ち上げました。ボード右下、ふりだしのマスをご覧になってみてください。素朴な顔をした11人の家族の顔が並んでいますよね。彼らこそが本作の主人公であり、戦中日本の大人気キャラクター『翼賛一家』の面々なのです。
今でいうメディアミックス?
一方の大政翼賛会は現代で言うところの製作委員会に近い存在として、翼賛一家というキャラクターの版権管理を行なっていました。希望者から版権料を徴収して漫画や小説など様々な作品を作らせ、本作もそうしたメディアミックスの内の一作品に過ぎなかったのですが……と言うと、ちょっと誤解を招くかも知れませんね。一口にゲームの製作委員会と言っても、やはりそこには歴然と“戦前”・“戦後”という時代性の違いがある。
版権は新日本漫画家協会から半ば強制的に「献納」させたものを運用しており、大政翼賛会が製作に手を動かしていたわけでもない。版権料だって利用者には「翼賛協力金」って形で納めさせてたっていうんですから、全く、発売元の説明1つにも厄介な時代ですよ。