ファミリー向けと呼ばれるような釣り場でも、意外にも毒を有する魚はたくさん生息している。

 また、毒を有していなくても、噛まれたり刺されたりすると命を落としてしまうほど危険な魚も珍しくない。今回は釣れた時点で超リスキーな「危険魚」7種とそれらが釣れてしまったときの正しい対処法を紹介する。さらに中には安全に処理をすれば食べることもできるほどの食味を持ち合わせる危険魚もいるので、調理法も合わせて紹介したい。

猛毒を有するヒガンフグ。テトロドトキシンという神経毒を体内に含み、食することで中毒症状を引き起こす

釣り味は最高、でも危険! ゲスト魚の代表格「アイゴ」

 スズキ目ニザダイ亜目アイゴ科に属する「アイゴ」。内臓がアンモニア臭いことからバリ(尿)や寝しょんべんなどと気の毒な俗称を持つ魚でもある。

ADVERTISEMENT

アイゴ。刺されてしまうと釣りを続けていられないほどの痛みが

 磯釣りではメジナやクロダイに混じって良く釣れる定番のゲスト魚だが、堤防や海釣り公園でも手のひらサイズから30cmを越える大型まで釣れることがある。ウキを一気に消し込み力強い引き味で楽しませてくれる一方で、鰭(ひれ)は鋭く尖っており刺されれば毒により釣り続行不可能なほど痛みを伴う場合がある。

 背鰭、腹鰭、臀鰭(しりびれ)に棘があるため死角がなく素手で触るのは大変危険である。

あらゆる箇所に毒針が

 リリースする場合は魚掴み、プライヤー、ハサミが必須だ。まずは暴れないように魚掴みで挟んだのちプライヤーでハリを外す。25cmを越えるようなサイズだと抵抗も強く魚掴みから飛び出して刺される恐れがあるため、グリップ力のあるものでしっかり掴んで固定させたい。環境負荷を考えると望ましくはないが、想定外に釣れてしまってリリースアイテムがない場合は素手で触らず、ハリス(釣り糸)をカットして優しく海に帰そう。

 一方、アイゴは西日本では食文化があるほど美味しい魚。持ち帰る場合は生きたまま鰭をカットせず一度エラを切って血抜きをして動かなくなったことを確認し、フィッシュグリップで掴んで毒棘をハサミでカットしよう。カットした毒棘を陸上に放置するのは大変危険だ。

 万が一刺されてしまった場合は患部を火傷しない程度のお湯(45℃くらい)に浸けることで、タンパク毒の広がりが抑えられ、痛みが和らぐ。呼吸に支障がでるような症状があれば、すぐさま病院で診察する。