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 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。

100人中99人は触らないと思うが…

 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。

 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。

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有毒魚としての認知度は低いが…

 最後に紹介するのはオニオコゼ。

オニオコゼという名前の由来は、その残念な見た目から

 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。

岩と完全に同化するオニオコゼ

 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。

東扇島西公園でも釣果が上がった

 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。

危険を知って楽しい釣りを!

 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。

 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!