「ものすごい数のエキストラの人たちの中を走っていくシーン(第4話で山本巧(迫田孝也)を追跡するシーン)なんですが、エキストラさんもちょっとずつ歩くペースが違ったりして、曲がりたいって思ったところで、僕とぶつかっちゃうから曲がれないっていうのがあったりしたんですね。そしたら、福澤監督に『お前この野郎、遅えよ!』って怒られて(笑)
『もっとカメラに自分がどう映るかっていうのをお前も考えないとダメだ』って。やっぱり僕、脇役とかが多いので、あんまり自分がどう映るかを意識してこなかったんですが、本当にそのまま指摘してくださって。『お前、阿部さんだって堺さんだってそこをまず確認すんだよ』って。僕も『はい!』って聞きながら、すごく優しいなって。あんなに怒ってくれる人はこの業界では最後なのかなと思いますよね」
堺さんは機械に勝てる、阿部さんとは小学5年生の時以来
――座長である堺さんとのやり取りはありましたか?
「堺さんと初めて絡むシーンを撮った日のことなんですが、堺さんはすでに撮影に入っていて、僕はメイクを始めていたんですね。部屋のドアが開いていて、あ、堺さんが通られる!っていうタイミングがあったんですよ。でも、今はさすがにメイク中でちゃんと挨拶もできないしなって思っていたら、堺さんが一旦メイク室を通り過ぎた後に折り返して、わざわざ僕のところに戻って来て『堺です』ってすごく丁寧に挨拶をしてくださって。
ビビりましたし、こういう方が座長なんだなって。見てると、誰に対しても丁寧なんです。若いスタッフさんだろうとキャストだろうと、モンゴルの方だろうと。ビックリしました。モンゴルのロケでも常にコミュニケーション。どっかに籠るとかでもなく、ストレッチしながらでも交流されたり。それも気遣いなんですよね。常にニコっとした笑顔みたいな」
――堺さんのお芝居はどうでしたか?
「もう機械のようですね、機械に勝てるぐらい絶対にミスしない感じで。すごく噛みそうなセリフも澱みなくこなされてた。だから、あの芝居のクオリティを保ちながら気遣いができる余裕があるっていうのが、ほんと恐ろしいというか。もうどこでいつ寝て、何をしてるんだろうって(笑)。
ジャイさんは信じられないくらい全部が全部、頭の中で計算されていて、それをちゃんと的確に言葉で伝えてくれていました。堺さんや阿部さんもそれを聞いて、 なるほどなるほどって。そこの信頼関係も本当にカッコよかったです」