――劇中では上司にあたる阿部さんとの印象的なやり取りを教えてください。
「僕は阿部さんとは小学5年生の頃にご一緒して以来だったんです。『金曜時代劇 天晴れ夜十郎』という、阿部さんが主演をやられていたNHKの時代劇。僕は阿部さんに助けられる子どもの役で。阿部さんに話したら『お、じゃあ長いことやってんだな!』って。『はい!』って恐縮して。
ただ、『話を振っといてなんなんですけど、あんまり思い出せなくて』と言ったら、『俺もだな(笑)』って。子役の時に助けられた人の部下になれるというのは、感慨深いですよね。ちょこちょこ話をしていて、一番阿部さんのテンションが高くなったのが、モンゴルでお寺の話をした時。撮影場所のウランバートルにチベット教系のお寺があるんですよ。僕が『お寺に行きました』という話をしたら、『俺も行った!』って。
『僕なんて入口の方で入館料を騙し取られそうになったんです』なんて話をしたら、『いや、俺の時にはいなかったな』って。『いや阿部さんにはそんなことしないと思います』と返したりして(笑)」
吹雪、砂嵐…トラブル続きだったモンゴル撮影
――モンゴルロケも現地は和気藹々とした雰囲気だったんですか?
「トラブルもすごかったです。鈴木は役柄的にはモンゴルに行ってないんですが、日本の空港では撮影許可を取るのがなかなか難しく、向こうのチンギスハン国際空港で撮ることになったんですね。本当は着いて次の日が撮影のはずだったんですが、撮影隊がちょっと遠くに行ってて、しかも、雪が降ってしまって、戻ってこれないってなって。
しかもチンギスハン国際空港は、毎週火曜日しか使えなかった。だから、撮影隊が戻るまで、1週間まるまる現地で待っていました。でも、今日は吹雪で中止になったとか砂嵐で中止になったとか、いろんな天候トラブルとかある中でやりきってるチームってすごいなって、ほんと思いましたね」
――大変な撮影でしたね。
「日本人の体格に似たモンゴルのエキストラさんを集めたりもしていました。砂漠を抜けてようやくバルカから乃木(憂助=堺雅人)たちが帰ってきたという日本の空港のシーン(第3話)でも、僕と一緒にいた日本人の公安警察の2人も、実はモンゴルの方なんですよ。で、阿部さんが金を出せっていう場面があるんですけど、彼らはよくわかってなくて(笑)。通訳の人が『お金を出すんだ』みたいに頑張って伝えていたのが面白かったですね」