「昼寝なんかしなくても、亮夏は死にません!!!」
駆け込んだ翌年、地域の保育園に入園が決まり、亮さんは2歳児クラスから通い出した。
しかしホッとしたのもつかの間、彼は当初なかなか保育園に慣れることができず、他の子どもたちが、1、2週間で終える通称『慣らし保育』(保育園に慣れるために、一定期間短時間で帰るというもの)を半年経った時点でも彼だけ1人続けていた。
理由は2つだ。
・なんしかずっと泣いている
・昼寝をしない
「今日こそは昼寝して、他の子と一緒に4時まで遊んで帰ってくるんやで」
そう言い聞かせて送り出すのだが、そんな言葉もむなしく、大体13時ごろには
「お母さん、亮夏くんがお昼寝をしません。迎えに来てください」と保育園から電話がかかってくるのだ。
そして、突然それはやってきた。私が切れたのだ。
「今日もお昼寝をしないので……」
そのひまわりのように優しい先生の声を遮って、私は叫んだ。
「昼寝なんかしなくても、亮夏は死にません!!!」
かの有名なドラマの名台詞「ぼくは死にません」を彷彿とさせたかどうかはわからないが、必死さはおそらく劣るまい、その勢いで叫び、気がつけば電話を切っていた。
先生、あのときはビックリさせてごめんなさい。でもその後、無事に亮さんも慣らし保育を終え、保育園生活を満喫できるようになっていった。
保育園ママにおすすめされたA医院へ
亮さんが保育園に通い出したことを機に、風邪もよく引くようになり、保育園ママにどこか近くで良い小児科はないかと尋ねたところ、
「ちょっと癖がある先生で、合わない人は合わないみたいだけど、私は信頼してるで」とおすすめされたのがA医院だった。
まさかそこで生きる術を1つ身につけられるなんて、そのときは夢にも思わずにいた。
ある日亮さんが風邪を引いた。早速車で10分ほどの距離にあるA医院に向かった。
ちなみに亮さんは1人で座る姿勢が保てないので、基本、移動はバギーか車移動になる。
到着したA医院は、大きめの一軒家を改築したような個人病院だった。初めての病院、初めての先生は緊張する。
「優しい先生やったらいいな」