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藤井が左桂を逃げたところで夕食休憩へ

 さっそく宮嶋に永瀬の作戦について見解を聞いてみると、意外な話が。

「三段で雁木の使い手は多く、また、永瀬王座が指した工夫をすでに指す人もいました。自分自身もこの作戦の対策を研究したことがあります。駒組みの手順が難しく永瀬先生は相当、準備してこられたんじゃないでしょうか」

中京地域出身の齊藤裕也四段と宮嶋健太四段 ©️勝又清和

 藤井は▲9六同歩と取る一手に42分もかけた。戦機をつかまれた、という苦しい表情だった。永瀬は桂を跳ねて桂香交換し、入手した香を5筋の金取りに打つ。その合い駒に桂を使わせて「藤井の桂」を封じ、さらに自陣から端の香を走って、快調に攻め続ける。AIの評価値以上に控室でも後手の評判が良い。

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 藤井が左桂を逃げたところで、17時の夕食休憩に入った。永瀬はハンバーガー、藤井はきしめん、いずれもボリュームがある。手数はまだ47手で局面は考えどころ、先は長い。

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