――とても貴重なお話をありがとうございました。ところで撮影作業と編集作業は、まったく別々に行われるのでしょうか? 撮影中に編集を始めたり、編集をしながら撮影をしたりということもあるのでしょうか?

ワイズマン ふつうは撮影がすべて終わったあとに、一旦2週間くらいの休みをとって、十分休息をとったあとに編集作業に取りかかります。撮影はスポーツみたいなものでとても疲れるので、編集に入る前に短いバケーションをとらないといけないのです。 

いつもダンスをするように厨房を跳び回っていました

――厨房で料理人たちの作業を撮る際、ときにはとても間近から手元や皿を映していましたよね。撮影中、カメラはたいていどの位置に置かれていたのでしょうか?

ADVERTISEMENT

ワイズマン たとえば鍋でお湯を沸かしているところをクロースアップで撮るときは、カメラは対象から30センチくらいの距離にある。一方、ワイドで全体を撮っているときは、たいてい5~6メートルくらい離れたキッチンの隅のほうにカメラを置いていました。厨房全体を見渡して、何が起きているのかを理解しながら撮らなければいけなかったので。レストランフロアでも同じです。カメラは席から少し離れたところに置き、この空間全体で何が起きているのかを観察しながら、ときにはクロースアップで客の顔や料理にズームして撮っていました。

© 2023 3 Star LLC. All rights reserved.

――料理は時間勝負でもあり、火や刃物を使ったりと、危険な作業も含みますよね。厨房での撮影の際、料理人たちの邪魔をしないよう、立ち位置や撮影方法など、あらかじめ決めておいたルールなどはあったのでしょうか?

ワイズマン トロワグロ側からは、何をしてもいいしどこから撮ってもいいと言われていて、撮影隊が邪魔だとは一度も言われませんでした。とはいえ、作業中はみなさんとても素早く動くし危険も多い。撮影スタッフは私を含め3人態勢。私たちは彼らの邪魔にならないよう、また自分たちの安全を守るために十分注意をして撮影をしなければいけなかった。お湯をかけられたり、フライパンに触れたりしないよう、いつもダンスをするように厨房を跳び回っていました。