「ちょっと手伝ってくれないか」と言われてレコーディングに参加
トータス 同じ年の終わりごろかな、民生くんが(井上)陽水さんとふたりでユニットを組んで、一口坂スタジオでレコーディングしてたんですよ。そのころ僕らも『バンザイ』(96)の次のアルバム『Let's Go』の準備をしてて、民生くんと陽水さんの下のフロアでレコーディングしてたんですね。それで「ちょっと手伝ってくれないか」と言われて、僕とケーヤン(ウルフルケイスケ)が呼ばれて、「月ひとしずく」(97)にギターで参加したんです。
――民生さんと陽水さんも、『Let's Go』収録の「年齢不詳の妙な女」にアコースティック・ギターで参加していますね。
トータス ちょうど同じような時期だったんです、レコーディングが。たぶんそのときに「パワステではお世話になりました」みたいな話をしたんじゃないかな。あれ、違うか。その前のマキシ「ブギウギ'96」(96)の「骨と皮ブギウギ」で民生くんにドラムを叩いてもらったから、その前に一緒にレコーディングをしてたかもしれん。
でも「ブギウギ'96」のマスタリングは4月のパワステのあと、そのまま成田からマイアミに行ってやったはずだから、そうなるとパワステの前にレコーディングしてるはずなんですよ。いや、いきなりレコーディングに呼ぶはずないんですよね。あかん、完全に記憶が無茶苦茶になってる。
いろんなところで「ウルフルズはいい」って吹聴してくれてた
――民生さんはウルフルズの「借金大王」(94)が好きで、その前からライブでカバーしていたんですよね?
トータス そう。ライブでカバーしたり、いろんなところでウルフルズはいいって吹聴したりしてくれてたんです。『月刊カドカワ』の民生くんのインタビュー記事を見たら、居酒屋みたいなところで撮った写真に、ウルフルズの曲名を書いた短冊がメニュー名と一緒に貼られてたりとか。パワステも、参加してくれる数か月前のパワステに、自分でチケットを買って来てくれたんですよ。いきなり奥田民生が来たから、スタッフもみんなうろたえて。
――そのときは終演後に楽屋挨拶をするでもなく、っていうことですか?
トータス そう、いっさいなかった。(斉藤)和義くんと初めて会ったのは僕らのライブ後で、観にきた和義くんをスタッフが楽屋に連れてきてくれたんだけど、民生くんはまあ照れ屋ですから。
――経緯はともあれ、それからイベントなどでよく顔を合わせるようになって、麻雀もたびたび一緒にされたとか。
トータス よくやりましたね。それこそ96、97年ごろ、民生くんと長田(進)さんと、(斎藤)有太くんもおったかな。